「左京さん。私、ほんとに大丈夫ですか?」
ファーストクラス専用のラウンジで搭乗を待つ間も、ソファに座った桜子は周りを気にして左京にそっと尋ねる。
「もちろん。それより桜子、ドリンクはなにがいい? 軽食やケーキもあるぞ」
「えっ、まだ飛行機に乗ってないのに? もう旅が始まってるの?」
「ははっ、そうだよ。飛行機の中でも機内食が出てくるけどね」
航空会社の制服を着たラウンジスタッフが、桜子にデザートプレートをおすすめし、桜子はそれとロイヤルミルクティーをオーダーした。
「橘様、お待たせいたしました」
程なくして運ばれてきたデザートは、3種のプチガトーとアイスクリームの盛り合わせで、よく見るとフルーツソースで可愛らしく「Happy Honeymoon!」と書かれている。
「ええ!? あの方、どうしてご存じなのかしら」
「ははっ、情報漏えいじゃないから安心して。俺のマイレージカードに、桜子を妻として新しく登録したからだと思う」
「つ、妻として……?」
「そう、妻として。ほら、アイスクリームが溶けるよ、奥さん」
「わっ、はい!」
妻という単語に頬を赤らめる桜子も、美味しそうにデザートを食べる桜子も、搭乗口へ向かいながらギュッと腕を絡めて身を寄せてくる桜子も、左京にとってはその全てが愛おしい。
(今はただ噛みしめよう。桜子と二人でいられる幸せを)
そう思いながら、左京は腕に添えられた桜子の手をそっと優しく握りしめた。
ファーストクラス専用のラウンジで搭乗を待つ間も、ソファに座った桜子は周りを気にして左京にそっと尋ねる。
「もちろん。それより桜子、ドリンクはなにがいい? 軽食やケーキもあるぞ」
「えっ、まだ飛行機に乗ってないのに? もう旅が始まってるの?」
「ははっ、そうだよ。飛行機の中でも機内食が出てくるけどね」
航空会社の制服を着たラウンジスタッフが、桜子にデザートプレートをおすすめし、桜子はそれとロイヤルミルクティーをオーダーした。
「橘様、お待たせいたしました」
程なくして運ばれてきたデザートは、3種のプチガトーとアイスクリームの盛り合わせで、よく見るとフルーツソースで可愛らしく「Happy Honeymoon!」と書かれている。
「ええ!? あの方、どうしてご存じなのかしら」
「ははっ、情報漏えいじゃないから安心して。俺のマイレージカードに、桜子を妻として新しく登録したからだと思う」
「つ、妻として……?」
「そう、妻として。ほら、アイスクリームが溶けるよ、奥さん」
「わっ、はい!」
妻という単語に頬を赤らめる桜子も、美味しそうにデザートを食べる桜子も、搭乗口へ向かいながらギュッと腕を絡めて身を寄せてくる桜子も、左京にとってはその全てが愛おしい。
(今はただ噛みしめよう。桜子と二人でいられる幸せを)
そう思いながら、左京は腕に添えられた桜子の手をそっと優しく握りしめた。



