甘い夢はもう見ない〜お見合い結婚から始まる両片想いの恋〜

3年後、紅葉は清志と結婚して、リフォームした実家で新婚生活を送る。
と同時に会社を退職し、紅葉は『しらゆき』の若女将となった。

桜子も短大を卒後後、紅葉と共に『しらゆき』を手伝う。

清志とも一緒に料亭で忙しく働きながら、淡い恋心も遠い昔の思い出となり、自分は恋愛に向いていないと考えるようになった。

「桜子も、恋愛なら自分が1番好きな相手を追いかければいいと思うけど、結婚相手は1番自分を好きでいてくれる人にしなさいね。そうすればいつか、自分を1番好きでいてくれる人のことが、自分も大好きになるから」

紅葉にそう言われても、恋愛であんなに傷ついた紅葉を知っているだけに消極的になる。

それに両親の夫婦仲も良くなく、疲れ切った母が家を出て行ったのを見ているせいか、理想と現実は違うと自分に言い聞かせていた。

やがて紅葉が桃香を出産すると、紅葉に代わって桜子が若女将となる。

このままずっとこの料亭を守っていこう。
そもそも自分には出逢いもないし。

そう思っていた時に左京とお見合いし、あれよあれよと言う間に結婚に至った。

こんな急展開を1番信じられなかったのは、桜子自身だろう。
父も紅葉も、そして清志も、本当に良かったと桜子の結婚を手放しで喜んでいた。