終わらない愛の果てで




自分の優先度が両親にとって低いのは自覚していたし、それを寂しいとか、辛いと思っていたかと問われれば、別にそうでもなかった。

でも、彼女がそう言っていたから、そうなんだと思った。
自分は寂しいのだと、

『皇は寂しがり屋だね』

彼女が笑って、甘やかしてくれたから。

「……あれを恋だと言わないなら、俺は一生、誰も愛することはできないと思うよ」

今なおも、ずっと心に刺さっている。
抜けない。抜けてくれない。
彼女の笑顔も、声も、温もりも、匂いも。
5年経った今もなお、消えてくれない。

『─え、透和、ですか?透和なら先日、学校を退学しましたけど……』

もぬけの殻。君はいなくなった。
卒業式後、入社して落ち着いた時にはもう。
君はどこにもいなくって、

『お母さんが亡くなられて、引っ越すと聞いていますけど……』

彼女の友達は誰もが、口を揃えて。

『あの子、天宮先輩に何も言わなかったんですか?』

……彼女の時間を全て、皇が独占していた。
だから、彼女に一番近しい人間は、皇だった。

皇が知らなければ、誰も知らない。

「…………会いたい」

そう零した言葉を、聞こえないフリをして。
樹は幼子にするように、皇の頭をポンポンと撫でた。