裏切りの夜に死んだ私が、憧れの社長を救うため時をかけました。

 母はテーブルコーディネーターとして有名なのに料理をしたことはない。
 彼女は、結婚するまでは日本で暮らして来たから家庭科の調理実習の授業も受けている。
 しかし、その時もお皿を並べることしかしていなかったらしい。

「海外から帰って来たばかりだから、気を遣って和食にしてくれたんだよ」
 鈴木さんの料理は丁寧に下ごしらえがしてある上に、素材の味が活かしてあり美味しかった。
 彼女はとても優しい人で、私も心を許していた。

「アオちゃんのお母様安心してください。私も手の上で豆腐を切りますよ」
 舞ちゃんもすかさずフォローしてくれて、彼女の気遣いに感動した。