裏切りの夜に死んだ私が、憧れの社長を救うため時をかけました。

「今ね、家政婦さんにアオの誕生日ケーキを取りに行ってもらっているのよ。早く帰って来ないかしら、エステの予約に間に合わないわ」

 母の言葉に私は記憶が一瞬で蘇った。
 前回、この日は帰宅したら家に鈴木さんがいたのだ。
 私は知らない人が家にいることに驚いてしまったので覚えている。

「アオちゃん、誕生日なの? おめでとう。アオちゃんのこれからの1年が素敵なものになるようにお祈りするね」

「ありがとう。舞ちゃん」
 私は舞ちゃんの言葉に気がついてしまった。
 私は今日、母から誕生日のお祝いの言葉を貰っていない。

 この後、母はエステに行って、その足で父の会社に父を迎えに行く。