裏切りの夜に死んだ私が、憧れの社長を救うため時をかけました。

「39階です」
 寛也が私の部屋のボタンを押してくれる。
 親切な人なんだろうけれども、なぜか一緒にいたくないと感じてしまう。

「俺は25階。39階ってペントハウス? アオちゃんの家の間取りはどんな感じ?」
 ペントハウスは最上階の40階だ。
 母が日本に戻ってくる時、40階が良いと言ったが既に埋まっていた。

「ペントハウスではありません。間取りも分かりません」
 彼が間取りを聞いてくる意味が分からなかった。

「俺のところは2LDKだよ。親が大学祝いに買ってくれたマンションなんだけど、1人暮らしには少し広いんだ。寂しいからアオちゃん遊びに来てよ」

 エレベーターが25階で止まる。