裏切りの夜に死んだ私が、憧れの社長を救うため時をかけました。

 夏には花火も見れるから絶対にこのマンションが良いと言ってたのは建前だ。

 母の本音は、白金の実家から遠くに住みたかったからだ。

 私の通う大学に近いとも理由づけしていたが、本音を隠すための言い訳だ。

 日本の花火は確かにすばらしい。

 しかし、花火がもっと見えるマンションは他にもたくさんある。

 母は狂ってしまった自分の母親と、距離を置きたかったのだ。

 彼女は母とは違う自分になりたかったようだけど、地獄の日に確かに彼女も狂っていた。
 父は母の要望をいつも聞いていたから、母を溺愛しているのかと私は勘違いしていた。

「実は東京のタワーマンションに住むのが夢だったんです」