裏切りの夜に死んだ私が、憧れの社長を救うため時をかけました。

 私は彼と距離を縮めて信頼を得ようと思い、知っている博多弁を披露した。
 英語は世界の共通言語だが、仲良くなるには相手の生まれの言葉で話しかけるのが一番距離が縮まる。

「すみません。普通に話してくれますか? 俺は学生時代貧乏旅行をしていた経験を活かし、旅行会社を起業しました。最近は円安なので、少し経営が厳しかったりもします」

 彼が笑いを堪えながら言ってくるということは、私の博多弁はイマイチだったということだ。
 海外で相手の出身の言葉で話しかけると、その国に行ったことがあるのかと返される。

 彼は私が福岡に行ったことがないと、私のイントネーションの不完全さから察したのだろう。