裏切りの夜に死んだ私が、憧れの社長を救うため時をかけました。

 私は初めて「社長」と向き合っていることに感動していた。

 毎朝のように玄関で見かけ、エレベーターで見かけた男だが初めてまともに会話をしている。
 そして、彼は私の地獄のような日の最後には地面で血を流して倒れていた男だ。

「私は大学1年生です。まだ、学生の私では頼りないということですね。私のことは地蔵だと思ってください。相談ではなくて、全てを吐き出してください。お互い苦しい身の上です。私は社長のためなら何でもします」

 彼の周りにいない大人な雰囲気に好感を持った初対面。
 たまにエレベーターであった時に交わした爽やかな挨拶。