裏切りの夜に死んだ私が、憧れの社長を救うため時をかけました。

 黒髪のすらっとしたスーツ姿の「社長」が現れる。
 彼を見ると自然と心が落ち着いた。

「お悩みはありませんか? もしお悩みがあるのであれば、いつでも私を呼んでください。私はどのような時も必ずあなたの元に駆けつけます。あなたは1人ではありません」

 私は成功者であろう彼が頭から血を流して、地面に横たわっていたのを思い出した。
 どのように羨まれる人でも、人には言えない悩みがある。
 彼も、もしかしたら信じていた人に裏切られた人間なのかもしれない。

「昨日、マンションに引っ越してきましたよね。宗教の勧誘ですか?」