裏切りの夜に死んだ私が、憧れの社長を救うため時をかけました。

 私はバッグを父に突き返しながら言った。
 父は結婚して以来、月300万円のお小遣いを母方の祖父から貰っている。

 父は祖父の経営する木嶋グループ傘下の貿易会社に就職して、次期社長として扱われていた。
 その地位は、母と結婚したから得られたものだ。

 正直、記憶の中で不倫をしていた父が気持ち悪くてしょうがない。
 私のような成人した娘がいても、ずっと彼は男だったということだ。
 このような気持ち悪い男の施しは受けない。

「アオ、なんてこと言うの。パパに謝りなさい」

 私は気がつけば母に引っ叩かれていた。
 訳がわからない、私は未来で裏切られる彼女の為に行動したつもりだった。