裏切りの夜に死んだ私が、憧れの社長を救うため時をかけました。

 私は思わず母の顔を見た。
 これ以上ないくらい必死な形相を母はしていた。
 明らかに母はこの時点で、自分が父の愛を失っていることに気がついている。

 私は自分が一緒に住んでいながら、2人の関係性が見えていなかったのだと思った。
 母は、生粋のお嬢様で父しか男を知らない。

 そして育ちが違うと、結婚の時は親戚中から反対されたらしい。
 親に逆らってまでした結婚であるがゆえに、父への愛を貫こうとしているのかもしれない。

「パパは、ママのお金目当てで結婚したんじゃないの?」
 私が父を見据えながら言った言葉に、あたりが静まり返る。