裏切りの夜に死んだ私が、憧れの社長を救うため時をかけました。

 すれ違いざまに聞こえるように言ってくる藍子の言葉は、聞き流せるものではなかった。

「石川さん、ダサいのは初対面の年上の方に敬意も払えないあなたですよ」

 私が言い返した言葉に、寛也が反応する。

「藍子、隣の人は家政婦さんだって。木嶋さんの母親は、美魔女で有名なテーブルコーディネーターの木嶋翠だから」

 寛也の言葉も私は聞き流せなかった。
 母のことまで知っているということは、寛也は私が誰かやはり分かっていた上で近づいてきたということだ。

 地獄の日に、彼は私に「利用するために付き合った」と言った。