裏切りの夜に死んだ私が、憧れの社長を救うため時をかけました。

「父親がとんでもなく優秀なんです。妊娠を告げたら、音信不通になってしまったんですけどね。息子は荒れてた時期も長かったのですが、今では独り立ちしてくれました」

 私はますます鈴木さんが言う先輩というのが、父なのではないかと思ってきた。

 もし、それが事実なら父は子を認知もせず、養育費も払わず逃げたということだ。
 そして、そのようなプライベートで重い話を明るく言う鈴木さんが怖くなってきた。

「荒れていたって、成人式で大暴れしたりしたのですか?」
 私は息子さんが荒れていたということが心配になった。
 父親の不在は息子さんが荒れたことと、関係があるのではないだろうかと思った。