あの日を越えて、二度目の初恋を~最愛の彼との再会愛~

 私が好きだった彼は、人の心を踏みつけて平気な人ではなかった。デリカシーを欠くこともなかった。
 どんなときも気持ちに寄り添ってくれる優しい人だったのに……。そんな思いが胸を締めつけて苦しくなってくる。
 
「ごめん、俺……なにか変なこと言った?」

 私が無意識に表情を曇らせたせいか、彼がどうかしたのかと顔を覗き込んできた。
 
「……いえ。別に」
「じゃあ、今度食事に行かないか? いろいろ話したいし」

 いろいろって、なに?
 どうして私の前から姿を消したのか、今になって話したくなった? 私を捨てた罪悪感を感じて?
 それとも、フランスでどう過ごしていたか、わざわざ私に聞かせるつもり?
 前のめりになりそうな感情を抑え、下唇をキュッと噛む。

「社長、そろそろ行きましょう。次の予定に遅れます」

 私が返事をする前に、近くにいた飯塚さんが割って入ってきた。
 もしかしたら、このふたりはまだ恋人未満の関係なのかもしれない。だから彼女は、私と彼を近づけたくないのだろう。