髪をすっきりとうしろにまとめ、グレーのパンツスーツを着こなす彼女の姿もまた、あのころのまま変わっていない。
もちろん彼女と会うのも三年ぶりだ。例の、ルヴォワールのロビーで話したのが最後。
「お久しぶりです。今日は新商品の取材で伺いました」
私は自分の名刺を取り出して、未だ平静さを失った彼女に差し出した。
「オーラムの編集部にいるの? ……そういえば出版社勤務だったわね。よりによってどうしてあなたが来るのよ」
「担当者が体調不良で。上司に指示されたもので……」
「だからって、ほかにも社員はいるでしょう」
目障りだ、と言わんばかりの視線が突き刺さる。
だけど、私もまさかこんな形で遭遇することになるとは思わなかったのだ。
もちろんなにかを企んでここに来たわけじゃなく、これは不可抗力でしかない。
「もしかして……安斉か?」
飯塚さんの後方から近づいてきた人物に声をかけられ、心臓が止まるかと思った。
私と目が合っても逸らすことなく、むしろ懐かしそうに微笑む瀬良さんの姿があった。
……なぜそんな顔ができるの? 彼の胸の内がわからない。
もちろん彼女と会うのも三年ぶりだ。例の、ルヴォワールのロビーで話したのが最後。
「お久しぶりです。今日は新商品の取材で伺いました」
私は自分の名刺を取り出して、未だ平静さを失った彼女に差し出した。
「オーラムの編集部にいるの? ……そういえば出版社勤務だったわね。よりによってどうしてあなたが来るのよ」
「担当者が体調不良で。上司に指示されたもので……」
「だからって、ほかにも社員はいるでしょう」
目障りだ、と言わんばかりの視線が突き刺さる。
だけど、私もまさかこんな形で遭遇することになるとは思わなかったのだ。
もちろんなにかを企んでここに来たわけじゃなく、これは不可抗力でしかない。
「もしかして……安斉か?」
飯塚さんの後方から近づいてきた人物に声をかけられ、心臓が止まるかと思った。
私と目が合っても逸らすことなく、むしろ懐かしそうに微笑む瀬良さんの姿があった。
……なぜそんな顔ができるの? 彼の胸の内がわからない。



