ひととおり新商品の紹介が終わり、会場全体の照明が少しだけ明るさを増した。
やがて司会者が落ち着いた声でアナウンスを始め、瀬良さんの父親である前社長から退任の挨拶がおこなわれた。そのあとは〝新社長〟がマイクの前に立つ。
「それでは、本日新たに取締役社長に就任いたしました、須南瀬良よりご挨拶を申し上げます」
司会者の言葉で、一斉に拍手が沸き起こる。
三年ぶりに見た彼は、以前より少し大人の雰囲気をまとっていた。
それ以外はとくに変わっていない。端正な顔立ちも、上等な生地のスリーピーススーツを身につけているのもあのころのまま。
彼が一段高い演壇へと上がり、背筋を伸ばして会場内を見渡したため、見つからないよう顔を伏せた。
コソコソする必要はないのだけれど、さすがにここで目が合ったら気まずいと思ったのだ。
彼は深く一礼し、拍手が静まるのを待ってからゆっくりと口を開いた。
「須南瀬良でございます。このたび、このような大任を仰せつかりましたこと、身に余る光栄に存じます」
しんと静まる中、凛とした低い声がマイクを通して耳に届く。
間違いなく彼の声だ。そう実感すると、なぜだかわからないけれど泣きそうになった。
やがて司会者が落ち着いた声でアナウンスを始め、瀬良さんの父親である前社長から退任の挨拶がおこなわれた。そのあとは〝新社長〟がマイクの前に立つ。
「それでは、本日新たに取締役社長に就任いたしました、須南瀬良よりご挨拶を申し上げます」
司会者の言葉で、一斉に拍手が沸き起こる。
三年ぶりに見た彼は、以前より少し大人の雰囲気をまとっていた。
それ以外はとくに変わっていない。端正な顔立ちも、上等な生地のスリーピーススーツを身につけているのもあのころのまま。
彼が一段高い演壇へと上がり、背筋を伸ばして会場内を見渡したため、見つからないよう顔を伏せた。
コソコソする必要はないのだけれど、さすがにここで目が合ったら気まずいと思ったのだ。
彼は深く一礼し、拍手が静まるのを待ってからゆっくりと口を開いた。
「須南瀬良でございます。このたび、このような大任を仰せつかりましたこと、身に余る光栄に存じます」
しんと静まる中、凛とした低い声がマイクを通して耳に届く。
間違いなく彼の声だ。そう実感すると、なぜだかわからないけれど泣きそうになった。



