あの日を越えて、二度目の初恋を~最愛の彼との再会愛~

「凛音はさ、大丈夫?って聞いたら大丈夫って答えるし、元気?って聞いたら元気って答えるよね」
「……え?」
「わかるよ。心配させないためだよね。でも私にはなんでも言いなよ。人はさ、助け合って生きていくものじゃない? 反対に私が困ったときは凛音を頼るわけだし、お互い様だよ」

 泣くつもりなんてなかったのに、視界の端がわずかににじんだ。
 董子の声はいつも温かい。彼女は本気で自分と子どもを思ってくれていて、それが心の支えになっている。
 
「凛音はひとりで産んで育てるつもりだったんだろうけど、私も一緒に育てたいって心から思ったのよ。だからね、私が勝手にやってることなの」

 胸の奥に張りついていた不安が、ゆっくりとはがれていく。強くいなくてはと踏ん張っていた力が、ほんの少しだけ抜けた。
 ひとりじゃないと言ってもらえることが、こんなにも心を軽くするなんて思わなかった。

 優愛を身ごもったとわかったあのとき、私は最初から産む選択しか頭になかった。
 シングルマザーとして立派に育て上げていく。さみしい思いはさせない。そう強く決意した。
 董子を巻き込むつもりはなかったのだけれど……彼女は優しいから、私を放っておけなかったのだ。