あの日を越えて、二度目の初恋を~最愛の彼との再会愛~

「メッセージを見たけどフランスってどういうこと? 全然わからないから直接聞きに来たの」

 リビングでコートを脱ぎながら、あせるような口調で董子が問いかける。
 私はキッチンで温かいお茶を淹れたあと、先ほど飯塚さんから伝えられたことをゆっくりと話して聞かせた。
 
「は? 凛音になにも言わずに行っちゃったの? そんなのありえないじゃない」
 
 董子は目を見開きつつ、憤るような声を上げた。
 私も同じ意見だ。いきなり消えたら私が傷つくとわかっていて、そうするとは思えない。

「その、飯塚さんって秘書の女性がウソをついてるとか?」
「でも……仮にそうだとしたら、どうしてウソなんか……」

 考えてみたものの、その理由は思いあたらなかった。
 それに、彼女の表情は終始冷たかったけれど、ウソをついているようには見えなかったのだ。

「瀬良さん、本当にどうしちゃったのかな? フランスからでも電話やメッセージくらいできるでしょう。世界はネットワークでつながってるんだから」

 董子の言うとおり。彼が自ら連絡してこないことに一番違和感がある。

「大丈夫よ! 凛音はすごく愛されてるもの。いつまでもこのままなはずがない」

 力強い彼女の言葉を聞きながらコクリとうなずく。