「常務の須南瀬良さんに会いたいのですが、こちらにいらっしゃいますか?」
「失礼ですが、アポイントはございますか?」
「いえ……」
私が小さく首を横に振るのを見て、女性が困ったように笑顔を曇らせる。
「申し訳ございません。アポイントのない方はお取り次ぎできません」
そう言って頭を下げる彼女に失態はなにもない。マニュアルどおりに対応しただけ。
瀬良さんは常務なのだから、誰もが呼び出してすぐに会える相手ではないのだ。
「私、不審者じゃないんです。瀬良さんと連絡が取れないので、会社には来ているのか知りたくて……」
冷静な声音でそう伝えると、隣に座っていた同僚の女性のほうが眉をひそめて合図を送っていた。「取り合うな」という意味だろう。
「すみません。お答えできかねます」
「ずっと休んでいるんじゃないんですか? まさか行方不明とか? 教えてください」
食い下がってみるものの、受付の女性は頭を下げるだけだった。
なにも知らないのか、知っているけれど言えないのか、どちらかはわからないが、いっさい情報を伝えてくれない。
「失礼ですが、アポイントはございますか?」
「いえ……」
私が小さく首を横に振るのを見て、女性が困ったように笑顔を曇らせる。
「申し訳ございません。アポイントのない方はお取り次ぎできません」
そう言って頭を下げる彼女に失態はなにもない。マニュアルどおりに対応しただけ。
瀬良さんは常務なのだから、誰もが呼び出してすぐに会える相手ではないのだ。
「私、不審者じゃないんです。瀬良さんと連絡が取れないので、会社には来ているのか知りたくて……」
冷静な声音でそう伝えると、隣に座っていた同僚の女性のほうが眉をひそめて合図を送っていた。「取り合うな」という意味だろう。
「すみません。お答えできかねます」
「ずっと休んでいるんじゃないんですか? まさか行方不明とか? 教えてください」
食い下がってみるものの、受付の女性は頭を下げるだけだった。
なにも知らないのか、知っているけれど言えないのか、どちらかはわからないが、いっさい情報を伝えてくれない。



