「優愛」
彼が穏やかな声で名前を呼んだ途端、優愛の表情がパッと明るくなった。
「パパ!」
駆け出してきた優愛が、勢いよく彼の胸に飛び込む。
瀬良さんはしっかりと受け止めて、そのまま高く抱き上げた。
きゃっきゃと笑う優愛の声が、春の空気に溶けていく。
その光景を見つめながら、胸の奥がじんわりと温かく満たされていくのを感じた。
失ったと思っていた最愛の人、あきらめていた三人での未来――。
こうしてまた一緒に笑える日が来るなんて、奇跡だ。
「そうだ、三年前、京都へ旅行しようって約束してたよね。優愛を連れて今度三人で行こうよ」
「ああ、もちろん。これから楽しみなことが増えるな」
再来月、私たちは結婚式を挙げる。
互いの両親も、今はかわいい初孫の優愛にすっかり夢中だ。
あの日、勇気を出して踏み出した一歩が、こうして未来へとつながっている。
「凛音」
名前を呼ばれて顔を上げると、瀬良さんが真っすぐにこちらを見つめていた。
「ずっと、幸せに生きていこうな」
未来を約束する言葉が、痛いくらい私の胸に深く響いた。
「瀬良さん、ありがとう」
「感謝してるのは俺のほうだ」
彼が優愛を片手で抱きつつ、もう片方の手で私の肩を抱き寄せる。
優愛があいだにいることで少しだけ照れくさくて、自然と笑みがこぼれた。
三人の距離がぴたりと重なると、とても温かくて心地いい。
止まっていた時計の針が、ようやく動き出した。
そしてこれからは三人で同じ時間を刻んでいく。
「凛音、優愛、愛してる」
彼がそう言ってふわりと微笑む。
失っていた時間も想いも、全部取り戻していけると思えた。――彼と一緒なら。
――END.
彼が穏やかな声で名前を呼んだ途端、優愛の表情がパッと明るくなった。
「パパ!」
駆け出してきた優愛が、勢いよく彼の胸に飛び込む。
瀬良さんはしっかりと受け止めて、そのまま高く抱き上げた。
きゃっきゃと笑う優愛の声が、春の空気に溶けていく。
その光景を見つめながら、胸の奥がじんわりと温かく満たされていくのを感じた。
失ったと思っていた最愛の人、あきらめていた三人での未来――。
こうしてまた一緒に笑える日が来るなんて、奇跡だ。
「そうだ、三年前、京都へ旅行しようって約束してたよね。優愛を連れて今度三人で行こうよ」
「ああ、もちろん。これから楽しみなことが増えるな」
再来月、私たちは結婚式を挙げる。
互いの両親も、今はかわいい初孫の優愛にすっかり夢中だ。
あの日、勇気を出して踏み出した一歩が、こうして未来へとつながっている。
「凛音」
名前を呼ばれて顔を上げると、瀬良さんが真っすぐにこちらを見つめていた。
「ずっと、幸せに生きていこうな」
未来を約束する言葉が、痛いくらい私の胸に深く響いた。
「瀬良さん、ありがとう」
「感謝してるのは俺のほうだ」
彼が優愛を片手で抱きつつ、もう片方の手で私の肩を抱き寄せる。
優愛があいだにいることで少しだけ照れくさくて、自然と笑みがこぼれた。
三人の距離がぴたりと重なると、とても温かくて心地いい。
止まっていた時計の針が、ようやく動き出した。
そしてこれからは三人で同じ時間を刻んでいく。
「凛音、優愛、愛してる」
彼がそう言ってふわりと微笑む。
失っていた時間も想いも、全部取り戻していけると思えた。――彼と一緒なら。
――END.



