やり直すなら昔みたいに戻らなきゃって、気負わなくてもいいのだろうか。
でも、自信がなくて怖いから逃げてしまいたくなる。ダメだな。気持ちが揺れて仕方ない。
ふと、あのころの瀬良さんの笑顔が脳裏に浮かんだ。優しく包んでくれるたくましい腕も……甘くて、情熱的で、蕩けそうになるキスも。
恋人同士だった半年間は幻だったと思うようにしていたけれど、どうしても〝なかったこと〟にはできない自分がいる。
◇◇◇
翌週の週末、夜はレストランで食事をしようと董子と約束していた。もちろん優愛と三人で。
私が子連れでも気兼ねなく利用できそうな店を見つけたので、一度訪れてみようという話になったのだ。
「優愛、楽しみだね。おいしいもの、いっぱい食べようね」
董子が優愛に話しかける光景は、ほっこりしていて本当に癒される。優愛も笑顔で「うん!」と返事をしていた。
夕暮れ時、真ん中に優愛を挟み、私と董子が両側から手をつないで歩道を歩く。今の私はこれだけで幸せだ。
電車を降りて、目当てのレストランにもう少しで着く。そんなとき、反対方向から歩いてくる背の高い男性に目が留まった。
「……凛音」
本当に偶然だった。だって、私の名をつぶやいた瀬良さんも目を見開いて驚いていたから。
彼はそのまますぐに私たちのほうへ近づいてくる。
でも、自信がなくて怖いから逃げてしまいたくなる。ダメだな。気持ちが揺れて仕方ない。
ふと、あのころの瀬良さんの笑顔が脳裏に浮かんだ。優しく包んでくれるたくましい腕も……甘くて、情熱的で、蕩けそうになるキスも。
恋人同士だった半年間は幻だったと思うようにしていたけれど、どうしても〝なかったこと〟にはできない自分がいる。
◇◇◇
翌週の週末、夜はレストランで食事をしようと董子と約束していた。もちろん優愛と三人で。
私が子連れでも気兼ねなく利用できそうな店を見つけたので、一度訪れてみようという話になったのだ。
「優愛、楽しみだね。おいしいもの、いっぱい食べようね」
董子が優愛に話しかける光景は、ほっこりしていて本当に癒される。優愛も笑顔で「うん!」と返事をしていた。
夕暮れ時、真ん中に優愛を挟み、私と董子が両側から手をつないで歩道を歩く。今の私はこれだけで幸せだ。
電車を降りて、目当てのレストランにもう少しで着く。そんなとき、反対方向から歩いてくる背の高い男性に目が留まった。
「……凛音」
本当に偶然だった。だって、私の名をつぶやいた瀬良さんも目を見開いて驚いていたから。
彼はそのまますぐに私たちのほうへ近づいてくる。



