「手、大丈夫か?」
彼が私の左手を凝視しながら尋ねてきたため、コクリと小さくうなずいた。
掴まれたところが赤くなってはいるが、少し時間が経てば消えそうだ。
「大丈夫です。すぐ治りそうです」
そういえば、ひったくりに遭って捻挫をしたあの日――。
『左手、ケガをしたんだろう? 見せて』
彼は私を病院に連れていき、心から心配してくれていたことをふと思い出してしまった。
あのときも左手だったな……。こうして優しいところは本当に昔のままだ。
「凛音……」
一度言葉を切ってから彼は続けた。
「場所を変えて少し話せないか?」
「……え?」
「君に大事な話があるんだ」
瀬良さんがタイミングよくここを通りかかるのは変だと思っていた。偶然ではなく、私に会いに来たらしい。
真剣な表情でじっと見つめられると、話したくないなどと言って突っぱねられなくなった。
それに、大事な話とはなんだろう? 別れて三年経っているから、今さらな気もするけれど。
そう思いながらも、彼の熱意に負けた私は素直にうなずいた。
彼が私の左手を凝視しながら尋ねてきたため、コクリと小さくうなずいた。
掴まれたところが赤くなってはいるが、少し時間が経てば消えそうだ。
「大丈夫です。すぐ治りそうです」
そういえば、ひったくりに遭って捻挫をしたあの日――。
『左手、ケガをしたんだろう? 見せて』
彼は私を病院に連れていき、心から心配してくれていたことをふと思い出してしまった。
あのときも左手だったな……。こうして優しいところは本当に昔のままだ。
「凛音……」
一度言葉を切ってから彼は続けた。
「場所を変えて少し話せないか?」
「……え?」
「君に大事な話があるんだ」
瀬良さんがタイミングよくここを通りかかるのは変だと思っていた。偶然ではなく、私に会いに来たらしい。
真剣な表情でじっと見つめられると、話したくないなどと言って突っぱねられなくなった。
それに、大事な話とはなんだろう? 別れて三年経っているから、今さらな気もするけれど。
そう思いながらも、彼の熱意に負けた私は素直にうなずいた。



