「あ? なんだよ、お前。関係ないだろ」
不快だと言わんばかりの康史のひとことで、場の空気が凍りついた。それでも彼は一歩も引かず、私をかばうように自分の背に隠す。
「……瀬良さん」
思わず名前で呼んでしまった。たくましい背中はあのころのままで、心の奥にしまっていた感情がよみがえりそうになる。
「彼女は嫌がっているだろう」
「はっ、なにカッコつけてんだよ。コイツは俺の元カノなんだけど?」
「だからって、無理やり連れ去る理由にはならない」
しっかりとした口調で正論を言う瀬良さんに圧倒された康史が、くやしそうに顔をゆがめた。
康史はこの行動が常軌を逸しているとわかっていないのだろうか。
「警察を呼ばれる前に消えろ」
瀬良さんの低い声が響き、その迫力に康史は完全に気圧されていた。
もしも警察官が来て事情を聞かれたら、困るのは私じゃなくて確実に康史のほうだ。手首に赤くなって残った痕が証拠になる。
「これ以上は容赦しない。もう彼女に近づくな」
康史はしばらく立ち尽くしていたが、やがて大きな舌打ちをした。まるで面倒くさいとでも言うように。
私は大きく息を吸い込み、瀬良さんの背中から出て康史に言葉をかけた。
不快だと言わんばかりの康史のひとことで、場の空気が凍りついた。それでも彼は一歩も引かず、私をかばうように自分の背に隠す。
「……瀬良さん」
思わず名前で呼んでしまった。たくましい背中はあのころのままで、心の奥にしまっていた感情がよみがえりそうになる。
「彼女は嫌がっているだろう」
「はっ、なにカッコつけてんだよ。コイツは俺の元カノなんだけど?」
「だからって、無理やり連れ去る理由にはならない」
しっかりとした口調で正論を言う瀬良さんに圧倒された康史が、くやしそうに顔をゆがめた。
康史はこの行動が常軌を逸しているとわかっていないのだろうか。
「警察を呼ばれる前に消えろ」
瀬良さんの低い声が響き、その迫力に康史は完全に気圧されていた。
もしも警察官が来て事情を聞かれたら、困るのは私じゃなくて確実に康史のほうだ。手首に赤くなって残った痕が証拠になる。
「これ以上は容赦しない。もう彼女に近づくな」
康史はしばらく立ち尽くしていたが、やがて大きな舌打ちをした。まるで面倒くさいとでも言うように。
私は大きく息を吸い込み、瀬良さんの背中から出て康史に言葉をかけた。



