あの日を越えて、二度目の初恋を~最愛の彼との再会愛~

「知らないよ」

 口からこぼれたのは、自分でも驚くくらい素っ気ない相づちだった。
 なぜそんな報告をしにきたのかと、盛大にあきれてため息が漏れる。

「凛音まで冷たくするなよ」

 ぼそりとつぶやいた康史が軽く首を傾ける。どこか人を食ったようなその言動に、強い不快感を抱いた。

「俺、後悔してるんだ」
「……え?」
「お前と別れたのが間違いだった。今からでも遅くないと思ってる。俺たちやり直そう」

 彼の顔をじっと見つめ返した。冗談にしては悪質だし、本気にしてはあまりにも言葉が軽すぎる。

「昔付き合ってたんだしさ、復縁するのはよくある話だろ」
「ふざけないで」

 自分の野心のために私を切り捨てたくせに、結婚がうまくいかなったからって、こんな薄っぺらい言葉で片づけないでもらいたい。
 簡単に戻れると思っていること自体、私をバカにしている証拠だ。

「出世の道は閉ざされたし、社内でも孤立してる。今の俺を癒せるのは凛音だけなんだよ」

 この人はどこまで私を振り回せば気が済むのだろう。いつも自己本位で、相手の気持ちをいっさい考えていない。
 離婚してさみしくなって、元カノだった私を思い出したから復縁したいだなんて、虫がよすぎる。