「須南社長……大丈夫か?」
「話がかみ合わないことも多いと聞くよな」
ひそひそと男性たちが言葉を交わし、首をかしげている。
心配しているというよりも、社長としての資質を疑っているように聞こえて、なんだか胸が痛くなった。
瀬良さんも人間だから、たまにはミスもあると思うけれど、しょっちゅう失敗したり、ぼんやりしたりする人ではない。
――なにか変だ。
だけどその正体がわからなくて、私の中で違和感と謎がぐるぐると渦巻いていく。
◇◇◇
鷲尾デパートのパーティーから数日が経ち、私の心は落ち着きを取り戻していた。
気にするのはよそう。私と瀬良さんの縁はとっくに違えたのだ。そんなふうに気持ちを無理やり切り替えた。
「お先に失礼します」
時刻は十八時。仕事を終えた私は同僚の軽く声をかけ、ビルの一階にある入退館ゲートを抜けて外へ出た。
頬に触れる風が少しひんやりとしていて、私は無意識にスプリングコートの前を引き寄せる。
いつものように駅のほうへ歩き出したのだけれど、ふと、ガードレールに寄りかかって立っている男性がいることに気づいて足を止めた。
「話がかみ合わないことも多いと聞くよな」
ひそひそと男性たちが言葉を交わし、首をかしげている。
心配しているというよりも、社長としての資質を疑っているように聞こえて、なんだか胸が痛くなった。
瀬良さんも人間だから、たまにはミスもあると思うけれど、しょっちゅう失敗したり、ぼんやりしたりする人ではない。
――なにか変だ。
だけどその正体がわからなくて、私の中で違和感と謎がぐるぐると渦巻いていく。
◇◇◇
鷲尾デパートのパーティーから数日が経ち、私の心は落ち着きを取り戻していた。
気にするのはよそう。私と瀬良さんの縁はとっくに違えたのだ。そんなふうに気持ちを無理やり切り替えた。
「お先に失礼します」
時刻は十八時。仕事を終えた私は同僚の軽く声をかけ、ビルの一階にある入退館ゲートを抜けて外へ出た。
頬に触れる風が少しひんやりとしていて、私は無意識にスプリングコートの前を引き寄せる。
いつものように駅のほうへ歩き出したのだけれど、ふと、ガードレールに寄りかかって立っている男性がいることに気づいて足を止めた。



