「安斉さん、では……また」
ほかの招待客が彼の姿を見つけて声をかけ、私たちはそのタイミングで会話を終えた。
そっと会釈をしたのだけれど、彼が真っすぐに視線を送ってきているのを視界の端に捉え、ドキンとひとつ心臓が跳ねる。
私は心の中で落ち着けと自分に言い聞かせ、瀬良さんとは目を合わせないようにした。
遠藤さんはというと、「須南社長はイケメンなのに気さくで、素敵な方ね」と密かに声を弾ませている。彼と接するとみんなこうなるのは、昔から変わらない。
「さっきの須南社長、変じゃなかったか?」
そのあとすぐ、近くで彼の名前が聞こえ、耳が勝手に会話を拾おうとしてしまう。
話していたのは、私たちの前に瀬良さんと挨拶を交わしていたふたりの男性だった。
「俺がゴルフを始めたかどうか聞いたとき、反応がおかしかったよな。ずいぶん前にはなるが、いつか一緒にラウンドを回ろうって話をしていたんだけど、まったくピンときていないみたいで……」
「ああ、ポカンとしていたな」
今の話は私も覚えている。三年前、瀬良さんが楽しそうに話してくれたから。
熱心にゴルフを勧めてくれる人がいて、いい交流になりそうだし始めてみようかなと言っていた。
レッスンに通うならどこがいいか、スマホで調べていたくらいだ。結局仕事が忙しくて断念したようだったけれど。
あのときのことを忘れるはずはないのに、彼はどうしてそんなふうに会話を止めてしまったのだろう。
ほかの招待客が彼の姿を見つけて声をかけ、私たちはそのタイミングで会話を終えた。
そっと会釈をしたのだけれど、彼が真っすぐに視線を送ってきているのを視界の端に捉え、ドキンとひとつ心臓が跳ねる。
私は心の中で落ち着けと自分に言い聞かせ、瀬良さんとは目を合わせないようにした。
遠藤さんはというと、「須南社長はイケメンなのに気さくで、素敵な方ね」と密かに声を弾ませている。彼と接するとみんなこうなるのは、昔から変わらない。
「さっきの須南社長、変じゃなかったか?」
そのあとすぐ、近くで彼の名前が聞こえ、耳が勝手に会話を拾おうとしてしまう。
話していたのは、私たちの前に瀬良さんと挨拶を交わしていたふたりの男性だった。
「俺がゴルフを始めたかどうか聞いたとき、反応がおかしかったよな。ずいぶん前にはなるが、いつか一緒にラウンドを回ろうって話をしていたんだけど、まったくピンときていないみたいで……」
「ああ、ポカンとしていたな」
今の話は私も覚えている。三年前、瀬良さんが楽しそうに話してくれたから。
熱心にゴルフを勧めてくれる人がいて、いい交流になりそうだし始めてみようかなと言っていた。
レッスンに通うならどこがいいか、スマホで調べていたくらいだ。結局仕事が忙しくて断念したようだったけれど。
あのときのことを忘れるはずはないのに、彼はどうしてそんなふうに会話を止めてしまったのだろう。



