あの日を越えて、二度目の初恋を~最愛の彼との再会愛~

 そのあと数日が過ぎても、ずっと俺の頭から離れなかった。
 もしも彼女が俺にとって大切な存在だったのなら……その記憶を失ったままでいるわけにはいかない。

「社長、明日の来客の件ですが……」

 アポイントのことで俺に確認を取るため、飯塚が社長室へやって来た。
 ひととおり仕事の話をしたあと、秘書室へ戻ろうとする彼女を呼び止める。

「飯塚、聞きたいことがある」
「なんでしょう?」
「この前、なぜ安斉とあんなふうに話していたんだ? 君とは面識がないはずなのに」

 安斉に対する飯塚の態度が、俺の中でずっと引っかかっていた。
 飯塚がまるで責めるように問い詰めていたのが不自然で、どうしても解せないのだ。

「そ、それは……」

 何事にも歯切れよく答える飯塚が、言い淀んでじっと考え込んだ。

「あの日が初対面じゃなかった。そうだろう?」
「……答えたくありません」

 彼女は唇を引き結び、不機嫌そうに表情を強張らせた。こうして明確に拒否したことなんて今までなかったのに……。
 しかし、今のが答えなのだろう。俺の憶測はおそらくあたっている。