リュンヌの新商品発表会の日、俺は演壇に上がり、新社長としての挨拶と意気込みを語った。
緊張はしなかった。でも今後、ルヴォワールのブランドと社員たちを守っていくのは俺なのだと、その責任が肩に重くのしかかる。
すべて無事に終わり、足を運んでくれた取引先の人たちにお礼の言葉をかけて送り出す。
そんなときだった。――誰かに詰め寄っている飯塚の姿が見えたのは。
「だからって、ほかにも社員はいるでしょう」
聞こえてきた口調は冷たく、この場にふさわしくないのは一目瞭然だった。
飯塚は常に冷静で、感情的になるタイプではないのに、いったいどうしたというのだろう。
相手は誰なのかと近寄った途端、懐かしい顔が目に飛び込んできて、それと同時に心が急激に潤っていくのがわかった。
「もしかして……安斉か?」
飯塚と話していたのは、大学の後輩の安斉凛音。――俺の好きだった人だ。
今日はリュンヌの取材で来たらしい。
そうか、出版社に就職をしたのか。芯の強い彼女のことだから、きっと充実した毎日を送っているのだろうな。
緊張はしなかった。でも今後、ルヴォワールのブランドと社員たちを守っていくのは俺なのだと、その責任が肩に重くのしかかる。
すべて無事に終わり、足を運んでくれた取引先の人たちにお礼の言葉をかけて送り出す。
そんなときだった。――誰かに詰め寄っている飯塚の姿が見えたのは。
「だからって、ほかにも社員はいるでしょう」
聞こえてきた口調は冷たく、この場にふさわしくないのは一目瞭然だった。
飯塚は常に冷静で、感情的になるタイプではないのに、いったいどうしたというのだろう。
相手は誰なのかと近寄った途端、懐かしい顔が目に飛び込んできて、それと同時に心が急激に潤っていくのがわかった。
「もしかして……安斉か?」
飯塚と話していたのは、大学の後輩の安斉凛音。――俺の好きだった人だ。
今日はリュンヌの取材で来たらしい。
そうか、出版社に就職をしたのか。芯の強い彼女のことだから、きっと充実した毎日を送っているのだろうな。



