あの日を越えて、二度目の初恋を~最愛の彼との再会愛~

 心配そうな顔をされたが、左の鎖骨を骨折して固定しているとはいえ手は動く。スマホくらいは触れる。

 飯塚が帰ったあと、さっそくSIMカードを差し替えた。次は手帳の中に記されていたIDとパスワードをもとに、以前の環境を復元しようと試みる。
 無事にログインできたため、以前入れていたアプリが自動でゾロゾロとダウンロードし始めた。
 これで、写真や動画、通話履歴、メッセージのやり取りも確認できるだろう。

 連絡先一覧に知らない名前はなかったが、友人とのメッセージの画面を開けてみると、俺の記憶にない会話のやり取りがあり、なんだか一気に怖くなった。

 電話もメッセージも、とくにおかしなことはない。写真や動画はどうだろうか。
 ファイルを開けてみたが、俺の〝違和感〟の解明につながるものは見あたらなかった。

 思い出さなければいけない重要なこと――そんなものは最初からなかったのかもしれないな。スマホになにも残っていないのだから。