あの日を越えて、二度目の初恋を~最愛の彼との再会愛~

「そうだ、スマホは?」

 スマホの中は情報の宝庫。メッセージや写真が残っていれば、なにか思い出すきっかけになるかもしれない。
 しかし、事故のあとに戻ってきたスマホは液晶画面が割れていて、電源がまったく入らなかった。どうやら強い衝撃で壊れたようだ。

 「すまないが、新しい端末を買ってきてくれないか? さすがにスマホが使えないのは不便だ」
 
 事故から数日後、俺は飯塚にそう頼んだ。おそらくSIMカードまでは破損していないだろう。新しい端末に差し替えれば、通信手段はすぐに取り戻せる。

「かしこまりました。では、今と同じ機種を購入してきます。ただ、アプリなどを引き継ぐにはクラウドのIDとパスワードが必要になってきますが……」
「……そうか」

 実は今回壊れたスマホも見覚えがなかった。この一年のあいだに、俺はどうやら機種変更をしているらしい。
 そして飯塚の言うとおり、肝心なのはIDとパスワードだ。そこにアクセスできなければ、新しいスマホを手にしても中身は空っぽ。
 それまで使用していたアプリも、登録していた連絡先も取り戻せない。