あの日を越えて、二度目の初恋を~最愛の彼との再会愛~

 事故回避のために急ハンドルを切ったが、時すでに遅しだった。
 車体の右側から強い衝撃を受けた俺の車は、大きな音とともに九十度横転してしまう。

「大丈夫ですか?! 救急車呼んで!」

 通りがかりの人だろうか。そんな声が聞こえていたが、俺は運転席から動けずに意識を手放した。

 次に目を覚ましたときは救急車の中だった。
 もちろんシートベルトは装着していたが、車体に強く頭を打ちつけたため、ずっと朦朧としていた。

 左肩にも猛烈な痛みがあり、腕が動かせない。
 病院へ搬送されてレントゲンを撮ったところ、鎖骨が折れていると診断された。

 頭部もくわしい検査が必要で、明日か明後日には鎖骨をワイヤーで固定する手術も受けなければいけないため、俺はしばらくの入院を余儀なくされた。
 骨折に関しては、骨がくっつけば治る。だけど……気味の悪い違和感があるのは頭のほうだった。

 ――あのとき車を運転してどこへ行こうとしていたのか、覚えていないのだ。