あの日を越えて、二度目の初恋を~最愛の彼との再会愛~

「私も社に戻らなければいけませんので」
 
 忙しいのだとアピールするためにバッグからスマホを取り出した瞬間、メッセージの着信を告げる振動とともに、真っ黒だった液晶画面がパッと点灯した。待ち受けは笑っている優愛の写真を使っている。
 最悪だ。すぐそばに立っていた瀬良さんに見られてしまった。

「今の……かわいい女の子は?」

 彼が悪意のない表情で尋ねてくる。胸が激しく動揺して、スマホを持つ手がかすかに震えた。
 彼にはもう二度と会わないつもりだったし、優愛の存在も伝えないつもりだったのだ。
 それなのに、今日いきなりこんな展開になるなんて思ってもみなかった。

 友達の子どもだって言って取り繕う? いや、ウソはつきたくない。
 すべて話さなくてもいい。必要な事実だけを伝えればいいんだ。

「安斉優愛。……私の娘です」

 静かな声でそう告げると、目の前の彼がしばし呆気に取られていた。
 今の発言で、優愛が自分の娘だと彼は気づいただろうか。それが気になって、彼の表情をうかがいながら次の言葉を待った。