ジュエル★バトル ~わたしが水晶の巫子!?~

「アナタの、ツクモジュエリーの正体は……、
『デマントイドガーネット』!」

 楓は驚いたように、目を見開いた。
 一月の誕生石、ガーネット。和名は、柘榴石(ざくろいし)
 
一般に知られているガーネットは、少し暗めの赤い色。
 でも、実はガーネットって、赤色以外にもさまざまな色があるんだよ。
 黄色、オレンジ色、無色透明、ピンク色、赤紫色……。
 そして、緑色!
 
 緑色の中でも、ダイアモンドみたいにギラっと輝くガーネット。
 それが、デマントイドガーネットだ。
 そして、コイツのデマントイドガーネットの最大の特徴は……。

「あなた、『ホーステールインクルージョン』が入ってるでしょ!」

 びしっと指をつきつける。

 「ホーステール(馬のしっぽ)インクルージョン」。
 「インクルージョン」っていうのは、宝石の内部にある不純物や、別の鉱石の結晶のこと。
 デマントイドガーネットには、
 馬のしっぽの細かい毛の模様が内部に見えるものがあるんだ。
 ホーステールインクルージョンのあるデマントイドガーネットは、
 昔からヨーロッパの貴族の間で、「幸運のお守り」として有名だったんだ。
 乗馬は貴族のたしなみだったからね。
 だから、馬にとっても関係のある石なんだよ。

「……ふん、確かにおれは、デマントイドガーネットだ。
ホーステールインクルージョンも入っている」

 やった! 当たった!
 そして、ハッキリ聞こえた大人の男の声……。
 コイツが、デマントイドガーネットの精霊だね。

「だが、それがどうした? 勝負には、何の関係もないだろ! 
さあ、バトルをはじめるぞ!」

 楽しそうに言う男の声から、一転、
「ふふふ。じゃあ……。号令は、王子にしてもらおうかな」と楓の声にもどる。
 号令係に指名され、環くんの顔に緊張が走った。

「大丈夫、環くん。わたしを信じて」
「美月さん……。わかった」

 わたしと楓は、位置についた。ふたりで、クラウチングスタートの体勢になる。