ジュエル★バトル ~わたしが水晶の巫子!?~

 ふっと意識がもどったのを感じる。
 あれ? なんか、わたしの体、横たえられてない? 
 体育座りしてたのに。
 なんか、頭の下があったかい。
 グラウンドって、こんなあったかかったっけ?
 疑問に思いつつ、目を開けると、とびこんできたのは……。

「あ、起きた? 美月さん」

 環くんの顔。
 って、んん? もしかしてわたし、環くんに膝枕されてる⁉
 サラサラの紅茶色の髪が、風にのってふわっとなびいた。
 あまりにも環くんが優しい顔をしていて、思わず胸がとくんと高鳴る。

「わっ、ご、ごめん! 重かったでしょ」

 あわてて上半身を起こそうとすると、環くんにそっと支えられた。
 ふわあ、まさに王子さま。

「大丈夫。無理しないで、ゆっくり起きて」
「ありがとう」

 環くんの補助で、フラつかないように起きて、グラウンドに座りこむ。
「あはは、ようやくお目覚めね、眠り姫。そのまま一生寝てればよかったのに」

 楓の甲高い笑い声が響く。
 わたしが目にした光景は……。
 馬、馬、馬。もう、学年の半分以上が馬になっている。
 馬たちはみんな、悲しそうにうつむいていた。
 これ以上、楓を暴走させるわけにはいかない。

「楓、リベンジだよ。わたしともう一度戦おう」

 すくっと立ち上がり、楓に向かって勝負を挑む。

「へえ? そのカッコでいいの?」

 今は、イリスがわたしに憑依(ひょうい)してないから、普通の体操着だ。
 わたしがイリスに水晶の巫子って呼ばれたのは、
 わたしがイリスととても相性が良いから。
 相性がいいと、宝石の精霊は人の魂に寄りそう……、
 憑依することができるんだって。
 それで、いろんな力をつかえるようになるんだ。
 そういうことができる人を、宝石の巫子っていうらしい。

「これでも作戦があるからね。さあ、勝負しよう!」
「……OK。じゃあ、レーンに行こう」

 ふたりでレーンへ向かう。

「美月ちゃんだ!」
「天川、大丈夫か⁉」

 生徒たちがいっせいに声を上げる。
 楓は顔をしかめ、「うぜぇ……」とつぶやいた。
 そこに、男の声が混じっているのを、わたしは聞き逃さなかった。

「勝負の前に、あなたの正体を当ててあげる」

 わたしは楓を、いや、楓の中に巣くう精霊をにらみつけながら口をひらいた。