ジュエル★バトル ~わたしが水晶の巫子!?~

「結論からいうと、
テルがおかしくなったのは、
『ツクモジュエリー』のしわざだ」
「えっ。
ツクモジュエリーって、あの?」

 イリスの言葉に真っ先に反応すると、
 テルは「知ってんのか?」とわたしに問いかけてきた。
 ツクモジュエリー。
 百年くらい前に日本で活躍した宝石職人、「九十九(ツクモ)」。
 まあ、宝石好きなら、知ってて当たり前の有名人だよね。
 ちなみに、わたしが住んでいる、宝山(たからやま)市の出身なんだよ。
 
 そのツクモが、丹精込めて作り上げものは、
 「ツクモジュエリー」と呼ばれている。
 その美しい作品は、コレクターのあこがれ。
 わたしもツクモジュエリーの図録を買って、めちゃくちゃながめたからよく知ってる。
 そんなことをぱぱっとテルに話すと、
「ホントおまえって宝石マニアだよな」
 と苦笑された。
 えへへ、それほどでも。

「よし、知ってるのなら話は早い。
実は、図録に載っていない、特別なツクモジュエリーが、今回の騒動の原因なんだ。
『誕生石シリーズ』。
それが、呪いの宝石の精霊が宿るジュエリーの名だ。
ソイツらにとりつかれたら、負の感情を増幅されて、最終的には体をのっとられ、魂を食われる」
「えっ」

 わたしは思わず声を上げた。
 テルも、口をぎゅっと真一文字にむすんで、真面目な顔でイリスの話を聞いている。

「どうしてそんなものをツクモはつくったの?」
「……ツクモは、世界を憎んでいたからだ」

 わたしの問いにこたえたイリスの表情は、とても苦しそうだった。
 こっちまでつらくなってしまう。

「なんでだ? 何かあったのか?」

 テルが聞くと、「……まあ、いろいろあってな」と、イリスはふいっと顔をそらした。
 ……なんだかはぐらかされた気もする。
 でも、それを問いかけるよりも、今はイリスからの情報が必要だよね。

「それで、その憎しみをこめて作ったのが、
ツクモジュエリーの『誕生石シリーズ』だ。
美月、誕生石は知ってるよな?」
「もちろん!」

 誕生石っていうのは、一月から十二月まで、その月を守護する宝石のこと。
 それを身に着けると悪いものから身を守ったり、ラッキーなことがあったりするって言われてるんだ。

「わたしもテルも四月生まれなんだよ。
さて、テルに問題。
四月の誕生石は何でしょう?」
「知らね」
「いや、クイズだから。こたえてよ!」

 一秒未満でこたえを投げ出され、わたしは思わずツッコミをいれる。

「そんなことも知らんのか、わが持ち主は」

 ……んん⁉ この声は!
 テルの近くでぱあっと銀の光のかたまりがまたたいたと思うと、そこにはダイアモンドが立っていた。