◆◆◆
「ぐあああ!」
叫び声にばちっと目を開けると、
わたしのすぐ前にはテルとイリスの背中があった。
ふたりの背中ごしに見えるのは、見覚えのない少年。
頭にはダイアモンドでできた王冠。
ギラギラと輝く、腰まである銀の長い髪。
イリスみたいな純白の軍服を着ていて、白い毛皮マントをまとっている。
いかにも「王さま」みたいな雰囲気の子だ。
整った顔だちは、苦しみで歪んでいた。
まさか、コイツがダイアモンド⁉
わたしが前に出るのと、ダイアモンドがテルにすがりついたのは同時だった。
「なぜだ、テル!
オマエは王になりたいんじゃなかったのか!?
われとともに、すべてを支配するのではなかったのか⁉」
ダイアモンドは必死になって、テルに問いかける。
「触んな」
テルはバッとその手を振りはらった。
「ああ。おれは、王になるよ。
ただし、自分の力でだ。
あと、すべてを支配するってのはやめだ」
「なぜだっ!? すべてを支配してこその王だろう!」
ダイアモンドの表情が驚きに染まる。
「みんなを支配して、だれからもひざまずかれるような人生じゃ、
おれはみがかれないってことだよ。バーカ」
んべ、とテルは舌を出してみせた。
「……っ! この、愚か者があああぁぁぁっ!」
ダイアモンドが叫ぶと、ぶわっと風が舞い上がった。
ガタガタとテーブルとイスが結界の天井まで舞い上がり、
ぐるぐると勢いよく回っている。まるで、竜巻だ。
「まずいな、ダイアモンドに魅了された霊が暴走してる。
特大の、ポルター・ガイストだ」
イリスは冷静に分析しているが、これは危険すぎる。
このままじゃ、ステージ下にいる生徒たちにも被害が出ちゃうよ!
運よく、みんな氷ですべってうつぶせになってるけど、
ちょっとでも立ち上がったら。あの嵐にまきこまれちゃう。
「くそ! ダイアモンドに近づけねえっ!」
テルの言う通り、ダイアモンドの周りは風が強くうずを巻いて、
まったく近寄れなかった。
「美月、まだ心のパワーは残ってる?」
「うんっ。わたし、テルだけじゃなくて……、ここにいるみんなも、救いたい」
「よし、じゃあ……」
「待て」
わたしとイリスの会話をさえぎって、テルが声を上げた。
「美月だけ戦わせるワケにはいかねーよ。
心のパワーが必要なら、おれのも使え。
……美月は、おれが守る」
テル……!
わたしの心がじわじわと温かくなっていく。
心がふるえて、どんどん力がわいてくる!
テルと一緒なら、大丈夫だ。絶対、なんとかできる!
「OK、テル! オマエの思い、確かに受け取った!」
ニッと笑ったイリスの体が、ぶわっと黒い霧になってとけていく。
そのまま、霧はわたしとテルを包みこんだ。
これは……! わたしの衣装が、新たな姿に変わっていく。
「ぐあああ!」
叫び声にばちっと目を開けると、
わたしのすぐ前にはテルとイリスの背中があった。
ふたりの背中ごしに見えるのは、見覚えのない少年。
頭にはダイアモンドでできた王冠。
ギラギラと輝く、腰まである銀の長い髪。
イリスみたいな純白の軍服を着ていて、白い毛皮マントをまとっている。
いかにも「王さま」みたいな雰囲気の子だ。
整った顔だちは、苦しみで歪んでいた。
まさか、コイツがダイアモンド⁉
わたしが前に出るのと、ダイアモンドがテルにすがりついたのは同時だった。
「なぜだ、テル!
オマエは王になりたいんじゃなかったのか!?
われとともに、すべてを支配するのではなかったのか⁉」
ダイアモンドは必死になって、テルに問いかける。
「触んな」
テルはバッとその手を振りはらった。
「ああ。おれは、王になるよ。
ただし、自分の力でだ。
あと、すべてを支配するってのはやめだ」
「なぜだっ!? すべてを支配してこその王だろう!」
ダイアモンドの表情が驚きに染まる。
「みんなを支配して、だれからもひざまずかれるような人生じゃ、
おれはみがかれないってことだよ。バーカ」
んべ、とテルは舌を出してみせた。
「……っ! この、愚か者があああぁぁぁっ!」
ダイアモンドが叫ぶと、ぶわっと風が舞い上がった。
ガタガタとテーブルとイスが結界の天井まで舞い上がり、
ぐるぐると勢いよく回っている。まるで、竜巻だ。
「まずいな、ダイアモンドに魅了された霊が暴走してる。
特大の、ポルター・ガイストだ」
イリスは冷静に分析しているが、これは危険すぎる。
このままじゃ、ステージ下にいる生徒たちにも被害が出ちゃうよ!
運よく、みんな氷ですべってうつぶせになってるけど、
ちょっとでも立ち上がったら。あの嵐にまきこまれちゃう。
「くそ! ダイアモンドに近づけねえっ!」
テルの言う通り、ダイアモンドの周りは風が強くうずを巻いて、
まったく近寄れなかった。
「美月、まだ心のパワーは残ってる?」
「うんっ。わたし、テルだけじゃなくて……、ここにいるみんなも、救いたい」
「よし、じゃあ……」
「待て」
わたしとイリスの会話をさえぎって、テルが声を上げた。
「美月だけ戦わせるワケにはいかねーよ。
心のパワーが必要なら、おれのも使え。
……美月は、おれが守る」
テル……!
わたしの心がじわじわと温かくなっていく。
心がふるえて、どんどん力がわいてくる!
テルと一緒なら、大丈夫だ。絶対、なんとかできる!
「OK、テル! オマエの思い、確かに受け取った!」
ニッと笑ったイリスの体が、ぶわっと黒い霧になってとけていく。
そのまま、霧はわたしとテルを包みこんだ。
これは……! わたしの衣装が、新たな姿に変わっていく。



