ジュエル★バトル ~わたしが水晶の巫子!?~

「美月っ、オマエ、まだ意識が……!」

 目を丸くするテル。
 わたしの心にうずまくのは、悲しみと怒りだった。

「テル、わたし、言ったでしょ? 
わたしたちは、まだみががれてる途中なんだって。
テルがダイアモンドとして輝くまで、わたしはずっと見てるって。
それを、信じてくれないの?」

 でも、悲しみよりも怒りよりも、
 もっと心の奥からわき出てきたのは……。
 テルへのいとおしさだった。

「わたしに認めてほしい? 
そんなの、もう、ずっと前からわたしはテルのことを認めてるよ。
テルはいつだって、わたしの大切な人で、
わたしにとっての、ダイアモンドなんだから!」

「だったら、おれだけ見てろよ!」

 テルのいきなりの大声に、びくっと体がはねる。
 テルは両手でわたしの両肩をつかみ、じっと瞳を見つめてきた。

「他のやつらなんて、見るな。おれだけにしろ」

 テルの瞳がうるんできらめいている。
 それがあまりにきれいで、わたしの心臓がとくとくと音を立てた。
 それからやっと、なんだかすごいことを言われたということを理解した。
 まるで、愛の告白みたい。ビックリした。
 でも、「おれだけ見てろ」ってのは……。

「ムリだなぁ」
「……は?」

 思わずもれた心の声に、テルはみけんにシワをよせた。

「他のみんなも、きらっきらに光る宝石なんだもん。
テルだけをじ~っと見てるワケにはいかないよ」
「……他のヤツらも宝石って、どういうことだよ」
「わたしが宝石のこと大、大、大好きなのは、テルも知ってるでしょ?」 
「それと、今の話と、どんな関係が……」

 テルの口に、人差し指をぴっとむけ、「しーっ」となだめる。

「あのね、わたしにとって、みんなは生きてる宝石なの。
みんな努力して、自分をみがいて輝こうってがんばってる」
「……」
 
 テルは、だまってわたしの話を聞いている。

「だから、目移りしちゃうんだ。
どれかひとつだけを見ることなんてできないよ。
それが、人と関わるってことでしょ」

 ね? と笑いかける。
 テルは、最初呆然としていた。
 それから、少しずつ、少しずつ、表情が変化していく。
 わたしには、テルがよろこんでいるのか、悲しんでいるのか、よくわからなかった。
 複雑な感情。
 でも……、テルはわたしに向かい、ほろ苦くほほ笑んだ。
 うん、これはわかる。
 ただのうれしさからくるほほ笑みじゃない。
 テルはうつむき、大きくため息をついた。

「……あせりすぎてた、か」

 聞こえるか聞こえないかくらいのつぶやき。なんて言ったんだろ……。