ジュエル★バトル ~わたしが水晶の巫子!?~

「好きなんだろ?」
「え? う、うーん」

 好きって、テルのことを? 
 そ、そりゃあ友だちだもん。好きだよ。 
 確かに、テルはおれさまだけど……。
 優しいところがあるのは知ってるし、努力家だし、
 絶対、わたしを大切にしてくれそうっていうのはわかるし。
 じゃ、じゃあ、将来的にその、結婚しても、不安、ないよね。
 えっ、でも、結婚⁉

「? 大好きな石なんだろ、ダイアモンド。
今日のお礼に、絶対買ってやる!」

 あ、そっちか。
 そうだよね~! テ
 ルは、ダイアモンドをオトナの女性に送る意味、わかんないか。
 ああ、今思い返しても恥ずかしい勘違い。
 わたしが「うん!」と返事をすると、
 テルは今まで見たことのないような顔で、優しくほほ笑んだのだった。
 これが、わたしとテルとの「ダイアモンド」の約束。

〈そう、だから……、おれは、美月のために王にならないといけないんだ〉

 小さいテルの姿がブレる。
 ジジジッとノイズが走ったかと思うと、テルはいつものテルにもどっていた。

「美月、おれは本当に王になれるのか?
……って言っても、もう聞こえないか。ははっ」

 ひどい顔で笑うテルを見て、今までの記憶が一気にもどってきた。
 そうだ、わたし、テルに「絶対支配」の術をかけられたんだ。
 動かなきゃ、と思っても、体が動いてくれない。

「美月を支配すれば、もう、おれは悩まなくていい。
美月とずっと、この世界にいられれば……」

 口を開こうとしても、唇を震わせることもできない。
 それが、もどかしい。

「なんでだろうな。美月に認めてほしいって思うほど、空回りするんだ」

 テルは苦しそうな顔で、ただひとりでつぶやき続ける。

「おれには、環のような優しさや気遣いはない。
南雲先輩みたいな、オトナの余裕や、かわいげだってない。
これじゃあ、オマエの認めてくれる王になるなんて、無理だ」

 ふわ、とテルはわたしの方へとやってきた。

「だから美月……、おれと一生、ここにいてくれ」

 わたしの右手をとり、テルは祈るようにその手を両手でにぎりしめた。
 悲しいほどに、その光景は美しかった。

 けどね……。

「勝手に、わたしの気持ちを決めつけないでよ!」

 金縛りにあっている体を無理やり動かし、わたしは叫んだ。