ジュエル★バトル ~わたしが水晶の巫子!?~

「もう、おれはダメだ。
一番じゃない。
才能も何もない! 
こんなんじゃ、オマエに見てもらえない!」

 わたしに、見てもらえない!? 
 どうして? どうして、そう思うの?
 ふつふつと悲しみと……、怒りに似た何かがわいてきた。
 なんで? なんで、わたしがテルを見ないってことになるの!

「そんなことないもん!」

 気が付いたら、わたしも泣いていた。
 ぼろぼろと熱い涙がほほを伝う。

「テルが一生懸命歌やダンスの練習してるの知ってるもん!」
 
 わたしの家の裏庭で、テルはよくレッスンの復習をしている。
 わたしは、その姿を見るのが好きだった。
 時には、一緒にまざったりして。
 ずっと、思ってたんだ。
 テルはいつだって、ピカピカした宝石みたいに光っている。
 それを、伝えたい!

「美月……?」

 泣きながら声を上げるわたしを、テルがじっと見つめる。

「わたしは、ずっと、ずっと見てきたんだから。
テルはね、ダイアモンドみたいなんだよ!」
「ダイアモンド?」
 
  きょとんとした目で、テルはわたしに聞き返す。
 そうだよ。
 テルは、わたしにとって、お兄ちゃんみたいで……、
 ダイアモンドみたいに、わたしの心をぎゅうってつかむんだ。
 あの、虹色の、夢のような輝き。

「宝石の王さまだよ!
あのね、テルはね、ぜったい王さまになれるから!」
「王さま……。ダイアモンドって、そんなにすごいのか?」
「うん! わたしの大好きな石! 
あのね、世界で一番硬いんだよ! 
つよ~い宝石なんだ。
最初、地面から出てきたときの石はくもって見えても、
みがくとぴかーって光るの!」
「大好きな、石……。強い、宝石」

 テルは大切な言葉を口にするかのように、ゆっくりと繰り返す。

「だから……、もう、おれはダメだなんて、言わないでよ~! 
テルはきっと、まだまだみがかれてる途中なんだから! 
わたしはテルがキラキラのダイアモンドになるまで、
ずっと、ず~っと見てるから!」

 とうとう限界がきて、わたしは大声を上げて泣いてしまった。
 そこに、ほわっとしたぬくもりが、わたしの体をふわりと包みこむ。

「……そっか。
おれ、まだ、みがかれてる、途中なんだな」

 優しい、安心したような声。
 テルが、わたしを抱きしめてる。

「うん。きっとそうだよ」
「……わかった。おれ、ダイアモンドに、王さまになるよ」
「ほんと⁉」

 わたしががばっと顔を上げると、テルは満足そうに笑っていた。

「それでお金めっちゃかせいで、オマエにダイアモンドを買ってやる!」
「えっ⁉」

 将来、ダイアモンドを買って、わたしに贈ってくれる⁉
 ……それって、プロポーズ⁉ 
 顔がかーって熱くなっていくのがわかる。
 心臓がどきどきして、なんだか急にテルの顔がキラキラ光って見えてきた。