ジュエル★バトル ~わたしが水晶の巫子!?~

「そこを、どけ、美月」

 声が、違う。この声は……、ダイアモンドじゃない。
 テルだ!

「テル、テル! しっかりして! 目を覚まして!」
 
 テルは、剣をかまえたまま、じっとわたしを見つめている。
 その顔は、どこかつらくて、悲しそうで……。
 こっちまで、きゅうっと胸がしめつけられる。

「環のこと、そんなに大事なのか? おれよりも?」
「……何言ってるの?」
「こたえろよ! 王の命令だぞ!」

 しん、と静まり返る結界内に響く、テルの叫び。
 王、と言いながらも、テルはまるで迷子になったこどものようだった。
 くしゃくしゃに顔をゆがめ、泣きそうな顔をしている。

「ああ、そうだ。オマエも、『支配』してやればいいんだ。
そうすれば……、おれは、もう、悩まないで済む!」

 がらんっとテルは剣を投げ捨てて、わたしの両肩をつかんだ。
 目を合わせ、叫ぶ。

「絶対支配!」

 テルの瞳が、ダイアモンドのように強い光をはなった。
 きいいいぃぃぃっと、耳鳴りがする。
 頭がくらくらして、何も、考えられない。
 あれ、わたし……、どうなって……。

〈美月、しっかり、みつ……き〉

 これ、だれの声だっけ? わからない。
 そのまま、わたしの意識は深く、深く、どこまでも暗い穴に落ちていった。