「なんだ? どうしたんだ、美月」
さっきとはうってかわった、甘い声と優しい顔。
それが、かえっておそろしい。
「オマエは環が失格だって、思わないのか?
環を甘やかしてる、南雲先輩……。
いや、南雲もだ」
「お、思わない」
「……ふうん。なんでだ?」
心底不思議そうに、テルはたずねてきた。
「だって、環くん、あきらかに何か不調の理由がありそうだったじゃん。
その理由を、南雲先輩はきちんと聞こうとしてた。
わたしは、それは正しいと思う」
「……」
「南雲先輩は甘すぎる、なんてこともないよ。
みんな、ずっとダンスして疲れてたし、休憩をはさむのは当然。
その休憩の間に、もう一度、
環くんに不調の原因を聞こうと思ってたのかもしれないし」
キッパリと本心を告げると、テルはそんなわたしを見てあきれたようにため息をついた。
「ふん、無能は切り捨てればいいんだ」
「そんなことない!
それじゃあ、だれもテルについていかないよ!」
「……っ」
ぴく、とテルの顔がひきつる。
「何、を、言うんだ。
おれは、王……さま、に……。ぐっ」
片手で顔をおおい、苦しそうに息をするテル。
「だ、大丈夫?」
わたしがそっと手を伸ばすと、テルはその手首をぐっとにぎってきた。
「テル?」
「ふん、われの術、絶対支配が効かぬとはな」
テルの声じゃ、ない。
冷たい、透き通ったキレイすぎる少年の声。
「あなた……、だれ?」
本能的に、今しゃべってるのは、テルじゃなくて知らない人だってわかった。
「われは王、ダイアモンド。
このあわれな男を導いてやろうと思ったのに……。
オマエは、ジャマだな」
「きゃっ」
ぐっと、つかまれた手首をひきよせられる。
痛い! だれか、助けて! と思った瞬間だった。
「そこまでだ」
どこか懐かしい声がした。ダイアモンドとはまた違う、
凛とした男の子の声。
ぱあっと、今度はわたしを中心に光があふれる。
それは、さっきの銀の光とは違い、虹色で、温かくて……、安心できるものだった。
「くっ!」
ダイアモンドがうめき、わたしの手をはなす。
そうして、光がおさまったあと、ダイアモンドとわたしの間に立っていたのは……。
「おまたせ、美月」
白銀の髪をした、美しい少年だった。
さっきとはうってかわった、甘い声と優しい顔。
それが、かえっておそろしい。
「オマエは環が失格だって、思わないのか?
環を甘やかしてる、南雲先輩……。
いや、南雲もだ」
「お、思わない」
「……ふうん。なんでだ?」
心底不思議そうに、テルはたずねてきた。
「だって、環くん、あきらかに何か不調の理由がありそうだったじゃん。
その理由を、南雲先輩はきちんと聞こうとしてた。
わたしは、それは正しいと思う」
「……」
「南雲先輩は甘すぎる、なんてこともないよ。
みんな、ずっとダンスして疲れてたし、休憩をはさむのは当然。
その休憩の間に、もう一度、
環くんに不調の原因を聞こうと思ってたのかもしれないし」
キッパリと本心を告げると、テルはそんなわたしを見てあきれたようにため息をついた。
「ふん、無能は切り捨てればいいんだ」
「そんなことない!
それじゃあ、だれもテルについていかないよ!」
「……っ」
ぴく、とテルの顔がひきつる。
「何、を、言うんだ。
おれは、王……さま、に……。ぐっ」
片手で顔をおおい、苦しそうに息をするテル。
「だ、大丈夫?」
わたしがそっと手を伸ばすと、テルはその手首をぐっとにぎってきた。
「テル?」
「ふん、われの術、絶対支配が効かぬとはな」
テルの声じゃ、ない。
冷たい、透き通ったキレイすぎる少年の声。
「あなた……、だれ?」
本能的に、今しゃべってるのは、テルじゃなくて知らない人だってわかった。
「われは王、ダイアモンド。
このあわれな男を導いてやろうと思ったのに……。
オマエは、ジャマだな」
「きゃっ」
ぐっと、つかまれた手首をひきよせられる。
痛い! だれか、助けて! と思った瞬間だった。
「そこまでだ」
どこか懐かしい声がした。ダイアモンドとはまた違う、
凛とした男の子の声。
ぱあっと、今度はわたしを中心に光があふれる。
それは、さっきの銀の光とは違い、虹色で、温かくて……、安心できるものだった。
「くっ!」
ダイアモンドがうめき、わたしの手をはなす。
そうして、光がおさまったあと、ダイアモンドとわたしの間に立っていたのは……。
「おまたせ、美月」
白銀の髪をした、美しい少年だった。



