「へえ、子ども相手に刃物を使うなんて、穏やかじゃないですね。もしかして、怖いんですか?」
「は、はあ? ガキ相手に、オレがビビってるわけねーだろ!」
「子どもだと思って、舐めないほうがいいですよ? こう見えてもわたし……とっても強いんですからね!」
こちらから駆け出して、男の人の手元目掛けて、蹴りを繰り出した。
男の人は、まさかわたしのほうから攻撃を仕掛けてくるなんて思っていなかったみたい。
手から滑り落ちたナイフは、地面に音を立てて落下する。
その隙に、わたしは男の人の顎のあたりを目掛けて、拳を真っ直ぐ振り上げた。
「うがっ……!」
拳をもろに食らった男の人は、白目をむいて倒れてしまう。
……ちょっとやりすぎちゃったかな? って、そんなことより、今は男の子だ!
「ねえ、だいじょうぶ!?」
倒れている男の子の肩をそっとたたけば、「うっ……」と小さなうめき声が聞こえてくる。
手の甲や頬に小さな擦り傷なんかはあるけど、大きな怪我をしているわけではなさそうだ。
ホッと安堵のため息を漏らす。



