「お家がお金持ちだから、悪い人たちにねらわれているの?」
「うん、そうだと思う」
「そっか……。あのね、わたしも小さい時に、ママが死んじゃったんだ」
「君はお母さんがいなくて、寂しくないの?」
「ちょっとだけ、寂しくなる時もあるけど……でもね、パパとお兄ちゃんがいるから平気だよ!」
そして今度は、わたしの話をした。
家で道場を開いていることや、武術を習っていること。
お父さんとお兄ちゃんがボディーガードの仕事をしていて、すっごく強いこと。
「ボディーガードって、人を守る仕事のことでしょ? カッコいいね」
「カッコいい……?」
「うん。だれかを守れる強さがないと、その仕事はできないってことだから。いいなぁ。ぼくにも強くてカッコいいボディーガードがいてくれたらいいのに」
そう話す男の子の声は、羨ましそうで楽しそうだ。
わたしは、ボディーガードの仕事になんて全然興味がなかったはずなのに……男の子の「いいなぁ」って言葉を聞いて、気づけば、こんなことを口にしていた。



