「うむ、よく似合っておるな」
おじいさん――碓氷達彦さんは、わたしの頭のてっぺんから足元までをジッと見てから、満足げに笑ってうなずいた。
わたしは今、私立月峰学園中等部の制服の、採寸をしていた。
だけど月峰学園は、中高一貫の男子校だ。
女子であるわたしが、どうして男子校の制服を着ているのか。
話は、今から二週間前にさかのぼることになるんだけど――。
***
路地裏で男の子を助けた後。
到着した先にあった碓氷さんの家は、ものすごい大豪邸だった。
ガレージには高そうな車が何台も停まっているし、広い庭には美しい薔薇が咲き誇り、噴水まで設置されている。
家にお邪魔すれば、玄関先ではメイドさんと執事さんがお出迎えしてくれた。
マンガやドラマの中でしか見たことがない世界だ。
ドキドキしながら碓氷さんのあとをついていけば、通されたのは、白いアンティーク調の家具が設置されている、お城の中にありそうな綺麗な部屋だった。



