空を知らない君に贈る唄


「澄華の⾔ってた通り……ここ、本当に希望に満ちてるね」

澄華はその⾔葉に素直に頷いた。

「うん……ずっと夢⾒てた場所なんだ。

幼い頃からの夢が、こうして叶って……今、すごく幸せ」

怜奈は空を仰ぎ、その表情はまるで太陽そのものを抱きしめるように

やわらかかった。

「いつか……この温かい太陽の下で暮らすのが当たり前な⽇が

やってくる。きっと、そう遠くない未来よ。」

そう⾔って、怜奈の瞳にうっすらと涙が光る。

でもその涙は悲しみではなく、希望の光そのものだった。

「私ね――⼥だからってだけで、上進隊に⼊れるわけがないって⾺⿅に

されたり……訓練も、それこそ死ぬんじゃないかってくらい⾟かった。

諦めよう、って――思わなかった⽇は、きっと無いと思う」

怜奈の声はほんの少しだけ震えていたけれど、

その表情は揺らがなかった。

「でも……今はね。諦めなくてよかったって、本気で思える。

今まで頑張ってきたのは、全部今⽇のためだったんだって思えるよ」

その⾔葉を聞いた澄華の胸に、⼩さな熱が灯った。

胸の奥がじんわりと温かくなって、⽬頭が熱くなる。

(……怜奈も、いろんな覚悟のうえでここに来てるんだ)

澄華はふっと微笑む。

その笑顔は、⾵に揺れる草のようにやわらかく、確かなものだった。

「……うん、私も。」

その声は、地上の空へそっと溶けていった。

⻘空の下で、希望と決意が静かに重なり合う――

そんな⼀瞬だった。

澄華と怜奈が、互いの⽬を⾒合わせて笑いあった――その次の瞬間だった。