空を知らない君に贈る唄


「⾒てたなら声かけてくださいよ!!!」

叫び声を上げながら、陽⽃は野原を駆け回る。

澄華は⼿で⼝元を押さえ思わず吹き出した。

美織は振り返りながら、楽しそうに⼿を振った。

「陽⽃くん、がんばれ〜〜! その調⼦で⻘春しちゃいなさい!」

怜奈は眉をひそめながらも、つい笑みをこぼす。

「緊張感がないのはどっちですか………」

階段広場に響く陽⽃の絶叫と、隊員たちの笑い声。

その光景は、地上への緊張感と相まって、どこか不思議な温かさを

⽣んでいた。

――こうして澄華の地上初挑戦は、予想以上に賑やかに、

しかし確かに始まろうとしていた。