空を知らない君に贈る唄


「ちょっ……え、えぇ!? なんで泣いてんだよ……!?」

声が裏返り、陽⽃は完全に慌てた様⼦で澄華の正⾯に回り込む。

どうしていいか分からず、けれど放っておけず、気づけば指先が

動いていた。

親指で、そっと。

触れるか触れないかの距離で、澄華の頬を伝った涙を拭う。

――あたたかい。

⾃分の指先に残ったその感触に、陽⽃は⼀瞬、⾔葉を失った。

涙を拭われた澄華は、きょとんと⽬を瞬かせてから、少し困ったように

笑った。