空を知らない君に贈る唄


「流⽯に展開が早すぎますって。

というかそれ、⼀歩間違えたらセクハラになりますよ」

「え゙っ、嘘ぉ!?」

誠司の間の抜けた声に、三⼈は揃って笑い出した。

そうして、笑い声と⾜⾳が重なり合いながら、後⽅⽀援部隊は少しずつ

地上へと近づいていく。

この先に待つのは、未知と危険と、そして――

まだ誰も知らない、本物の空。

それでも今は、確かに和やかな空気が、彼らの背中を押していた。


ようやく、果てしなく続いた階段を登りきった。

最後の⼀段を踏みしめた瞬間、澄華の⾜は⾃然と⽌まる。

胸が上下に⼤きく揺れ、肺いっぱいに吸い込んだ空気が、

地下とは明らかに違うことを主張していた。

重く、湿った空気ではない。

どこか軽く、澄んだ――それでいて、まだ知らない匂いを含んだ空気。

澄華は⼀度、深く息を吐いた。

隣を⾒ると、陽⽃も同じように息を整えている。

⾔葉はなかったが、視線が合った瞬間、互いの胸の内は⼿に取るように

わかった。