空を知らない君に贈る唄


澄華はそんな陽⽃の後ろ姿を⾒つめ、⾃然と⼝元を緩める。

(……うん)

希望に満ちた表情で、澄華もまた、陽⽃の後を追って階段を

駆け上がった。

そんな2⼈の後ろに並んでいた美織と怜奈。

「澄華ちゃん、なんだかんだ⾔って、陽⽃くんといるときが

⼀番楽しそうだねぇ」

そんな声がして、怜奈がくすっと笑う。

それに、美織が楽しげに頷いた。

「ふふ、そうですねぇ。恋する⼄⼥は強しって⾔いますし、

あっという間に『芍薬』まで上り詰めちゃうかもですね。」

「ええ、私追い越されちゃうじゃん!!」

⼆⼈は顔を⾒合わせ、どこか微笑ましいものを⾒るような視線を、

前を⾏く⼆⼈の背中へ向けた。

さらにその後ろで、時川ら6班の⾯々もひそひそと会話を

交わしていた。

「あの⼆⼈……お互いに鈍感すぎない?絶対両思いでしょ!

はぁ〜⻘春だねぇ〜〜」

誠司が肩をすくめながら⾔うと、⻯也が即座に返す。

「時川さん……あいつら、まだ昨⽇知り合ったばっかっすよ?」

⻯也の⾔葉に、伊織が冷静に続ける。